【読書】錦繍(きんしゅう)宮本 輝 を読みました。
最近の読書はアタリが多いです。
今回もとても良本!30年前の小説ですがとても面白かった!!
一般的な小説と違って、手紙のやり取りで構成されている小説です。
離婚した夫婦が偶然再会しその時は軽く挨拶しかしなかったものの、元妻さんから元旦那に手紙を贈る所からはじまります。
書き出しの一文が特徴的です。
前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すらできないことでした
ダリアはキレイな花だけど、なんだか湿っぽうドロドロしたような物語がはじまるような、そんな文章です。
元妻からの手紙は愛嬌があって好きです。
もしもこの手紙をお読みになっているとすれば、きっとあなたには退屈極まりない文面であることでしょう。でも、もう手紙を出してくれるなと断られたうえで、なおしつこく差し上げる手紙なのですから、私、好きなことを好きなように書き続けてまいるつもりでございますことよ。
この、何日もかかって書き綴ってきた長い手紙でも、私はまだ書こうとしていることの半分も書けないでおります。まだまだあなたにとってはご迷惑このうえない手紙を差し上げることになりそうでございます。たとえあなたが封を切ることなく、そのまま破って屑籠に捨てておしまいになっていようとも・・・
お互いが出会う前、結婚生活、離婚後の生活、手紙をやり取りしてる現在と手紙の内容がかわっていきます。
個人的には元妻から
「あんたの不倫相手はいったい何者なん?」
という質問に元旦那が
「あいつは中学時代の同級生や♪めっちゃいい女で中二の時にキスしたったわ!転校して会わなくなってたけどお前と結婚してから京都で再会したんや。んで・・・いや疲れたから書くのやめるわ」
と返信し
「いやいや(笑)そんな青春時代どうでもいいわ!!不倫してた時の事書けやっ!!」
というやり取りががとても面白かったwww。この作品の中の男達は皆不倫して女性は男性のされるがままです・・・こういう時代だったのかな昭和って・・。
作品自体も250ページと少なめです。大変読みやすい(^^)
良かったら読んでみてくださいませm(__)m